山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

春に舞え、新雪

我が家は特段目立つわけでもない、ありふれた外観です。
すてきな洋館やモダンなデザインの家なら、もっとバラも似合うんだろうけれど、そんなこと言っても仕方ないです。

引越しを期に山田ガーデンにつるバラを植えようと決めました。
本格的にガーデニングをするにあたり、難しいと言われるバラに挑戦してみたくなったんです。
植える場所は午前中のみ太陽の当たる東側で、外壁沿いのスペース。そこからすぐの出窓につるを這わせたいと考えました。窓いっぱいのバラの花、憧れますよね。
私が重要視したのは以下の3つ。


  1. 家の外観に合った品種
  2. 半日陰でも花をつける丈夫さ
  3. 病気に強い品種であること

ホームセンターのバラカタログを毎日眺めてはネットで検索を繰り返し、図書館で本を借り、悩み抜きました。なにせバラ初心者です。後々手に追えなくなるようではバラも可哀想ですし。

ふわふわロマンチック系のバラは我が家の雰囲気と合わないので却下。
同じ理由でピンク色の品種も却下。
赤も存在感が強すぎるかな…
まずこれだけで品種はかなり絞られました。

次に、陽が当たらなくても咲くということ。
これについては考え直しました。日陰でバンバン咲いてちょうだい~って、いくらなんでもあんまりでしょう。
「最低でも2~3時間の日照が確保できれば、花が咲く」という情報を信じて、できるだけ咲いてくれれば嬉しい、という考えに方向転換することにしました。

それに強健種であれば、ある程度の成長は見込める、ということにもなります。
逆に、半日日陰になることで生育を抑えられ、たとえ大きくなる品種を選んだとしても上手い具合にいくのではないかとも考えました。



そして最終的に決めた品種。
故・鈴木省三氏が作り出した日本のバラ「新雪」です。

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甘さを押さえた純白の花形に、深いグリーンの照り葉が映えます。外気が冷える秋の終盤には、こうして蕾が赤く色づくのも美しい。
新雪を選んでよかったと心から思います。



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暖冬の影響で、かなり早い時期から新芽がスタンバイしていて、この暖かさで一気に伸び出しました。



昨年参加したバラの講習会で、京成の鈴木満男さんがこんなことをおっしゃっておられました。

「この品種が好きだから、という理由だけでバラを植えてはいけない。
植える場所、地域の気候、バラの特性を考慮して、育つバラを植えるべきだ」

それがひとつでも合わなければ、植えるのを諦めることも大切、とのアドバイスでした。

ERのサマーソングは、日本の暑い夏に耐えられずにほとんどの葉を落としてしまうといいます。
条件に合わないから上手く生育しない、理想通りにならない。だから「バラは難しい」という結果に繋がるのだと私は思います。
結果を難しくしてしまっているのは、自身の判断ミスなのかも知れません。