先日、久しぶりに出掛けたホームセンター。
それはもうカラフルな花たちでいっぱいで、春が来るんだなぁ、と感慨深くなりました(超冷たい強風が吹き荒れていましたが)。
明るく眩しいほどのカレンジュラ、ポリアンサ、マーガレットにアネモネ…
売り場の端にある樹木コーナーを見て回っていた時のこと。一本の樹木に付いているタグを見て、ハッとしました。
姫コブシ。
11年前のこの時期、息子を出産した際に植えた木です。
山田ガーデンの住む市では、出産をすると記念樹が贈られます。
コニファーやゴールドクレストなどを戴けるとのことでしたが、引き渡し場所である花木センターのおじさんが、「別の木でもいいよ~これなんて、どうだい?きれいな花が咲くよ」と勧めてくれたのが"姫コブシ"でした。
しかし、当時借りて住んでいた一軒家が取り壊しになることに。大忙しの引越しで、庭に植えていたその姫コブシを掘り出すことができなかったのです。
あの時は、かなり主人に責められたなぁ…(泣)
誕生記念樹ですから、当たり前か。
花も一度しか見ることができなかったし。
当時住んでいた家の間取りや生活の匂い。
庭の雰囲気。
小さかった子供達の姿。
息子への懺悔。
そして、新たに植え付ける場所。
そんな記憶や考えが、タグを見た瞬間に頭の中を駆け巡り、
「買うしかない!」
と、ガシッと幹を掴んでいたのでした。
私はずっと働き詰めで、保育園に迎えに行くのもいつも最後。ひとりポツンと絵本を読んで私を待っていた息子は、きっと寂しい思いをしていたのだと思います。
今でも学校に行きたくない日も多く、家でのんびりしていたい、と言います。その頃の寂しい気持ちが、彼の中でしこりになっているのかも知れません。
姫コブシとの再会は、忘れていた思い出を掘り起こしてくれました。
もし、この春に花が咲いたら。
息子の笑顔と共に写真に撮りたいと思っています。