マンゴーチャーム
チューリップもそろそろ終盤を迎えています。
鉢植えの墓場を見た気持ちになりました。
ちゃんと葬られていないから、墓場とは言わないか。
嫌な予感がしました。
初めて訪れた園芸店。偶然見つけて寄ってはみたものの、車を停めて降りると、店の入り口にパンジーの寄せ植えがたくさん飾ってある中に、瀕死のコニファーが数本倒れかかっているのが目に入りました。
広い敷地があるにも関わらず、商品の鉢物がほとんどないに等しい。というか商品を並べる台すら数えるほどしかない。
店内に入ると、クリザールの匂いがします。店員さんは5人もいて、切り花の水上げ作業に忙しそうです。そうか、この店は切り花が主なのか…
でもね、何かがおかしいのです。
生きている植物を扱っている空気じゃない。空気が動いていないんです。
良さげな花器や雑貨がたくさんありましたが、ホコリを被っていて、しばらく誰の手も触れていないことが判りました。
「おもしろいものがたくさんあるでしょう?」と年配の店員さんに声を掛けられましたが、何も言えませんでした。正直、気分は面白くなかった。何もかも時代遅れ。
それでも何かキラリと光る、この店のいいところを探したかった。
でも見つけたのは、枯れた鉢物が大量に置かれたサンルームの墓場でした。
なんで?どうしてそんないい加減な商売ができるの?
店員5人もいるなら、死体を片付ける時間くらい作れるでしょうが。それとも全員が"片付けられない症候群"だというのですか?
植物が好きな人が来る場所に、なぜそれらの死体を平気で放っておけるのか理解できません。
それ以前に、生きていたものを死体にしてしまわないように、やるべきことがあるはず。
悔しいよ。私は本当に悔しくて悲しかったよ。
なんでこんな店が存在するのか、看板を掲げていられるのか。客足が遠退く商売をしていることに気づいていないのか。
商売とは客をこんな悲しい気持ちにさせることじゃない。
常にアンテナを張り巡らせて、ガーデナーに驚きを与えて欲しい。
来店する度に憧れと安らぎを与えて欲しい。
庭に対する想いを高めさせて欲しい。
少なくとも私は、園芸店とはそういう場所だと思っています。
悔しい。私だったら絶対こんな商売はしないのに。