山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

「農業高校に進学します。」

 


Bokuno Koto - YouTube

 

仕事の作業場にはいつもラジオが流れています。ある日流れてきたその曲を聞き、不覚にも泣きそうになってしまった…涙がぶわーっと溢れてきて、目の前の大量のイチゴが滲んだ。

 

人生の半分も生きていると、そんじょそこらのラブソングにはもう心が動かない。大きく揺さぶられるのは、"生きること" を強く歌う曲です。

 

 

娘は今冬、高校受験に挑んでいます。正月明けすぐに受けた、滑り止めの私立校がまさかの不合格で…学費がバカ高いので、本命は県立高校なのだけれど、ショックは大きなものでした。等の本人はケロッとしていましたが。

担任の先生も大慌て。三者懇談を前倒しして話し合い。再度の受験を申し込むことに決め、本命の県立高校も変えずに受験するのか、今の状況では倍率が高いのでよく考えて、と。

 

 

数日後、進学先を考え直した娘はこう言いました。

「あたし、やっぱり農業高校にするわ。」

工業高校の建築科を希望していた娘が出した答えは、なんと農業高校でした。それも普通科ではなく、園芸系に進むと。

 

 

 

「家を建てた人が次に考えるのは、駐車場を含めたエクステリアのこと。だから高校で園芸や造園を学んでから、建築の専門学校へ行く。そうすれば家を建てた人の庭作りも手伝えるし、庭を考えた家を建ててあげることもできる。家のことも庭作りも両方出来れば強みになるから、ってパパが言ってくれたから。」

 

 

私から農業高校を勧めることは避けていました。彼女には目指す将来があることを知っていたから、私の好きなことへ誘導しないようにしてきました。

これから幾らでも興味があることは変わってゆきます。たとえ今は手が届かないから他の道を選んだとしても、その知識が生きる日が必ず来ます。納得して決めたのであれば、親としては充分です。

 


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娘が手伝ってポットに植えてくれたフェンネルは、すくすくと育っています。まるであなたのように。

 

今年の春からは、山田ガーデンに新人が加わるかも知れません。その日を楽しみにしているからね、と心の中で呟きました。