山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

持ち帰らせてもらえませんか?~廃棄ブルーデージー

 

先日、ガーデンデザイン会社の仕事場に着くと、売れ残ったポット苗を廃棄する仕事を任されました。ジニア、ベゴニア、カリブラコア、ラスティセージ、アメリカンブルー、ブラシの木…

小さなポットに完全に根が回ってしまって元気がなく、やむを得ないものもありましたが、辛かった。切り刻んで棄てる作業は本当に心が痛むものでした。この小さなポットから早く出して根を広げてあげたら、みんな元気に育った筈なのに…どこか集中できていなかったのでしょう、剪定バサミの柄で掌のお肉を挟むケガまでしてしまったのでした。

 



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最後までどうしても切り刻むことができなかったブルーデージーは、一言お断りをして山田ガーデンへ連れ帰ってきました。葉も黄色になってしまって、かなりお疲れ気味ではありましたが、救ってあげたかった。

 

 

園芸店を開きたい山田ガーデンには、とても勉強になる職場です。どうしたら廃棄するポット苗を減らすことができるのか。仕入れをする店側から、購入するお客側からいろいろと考えてみました。

まずは売れ残らないような仕入れが大切。以前たくさん廃棄したことのある植物は、仕入れの数の見直しが必要ですね。

人気の薄い植物は残念ながら存在します。まずはニーズがあるのかないのか、それをきちんと掴んでおくこと。そしてなぜ人気が薄いのか、その理由がどこかにあるはずですから、それをしっかりと把握しておく。

処分品として値下げするのは最後の手段で、値下げする前にその植物の魅力を引き出すような工夫が大事だと考えます。単体ではパッとしなくても、他の植物と組み合わせることで生きてくる最高の脇役かも知れません。ではその良さをどう伝えるか?ポップ書きだけではダメ。実際に組み合わせた魅せる植栽をしてお客さんの目で確かめてもらう方法がより伝わると思うのです。ただポット苗を並べるだけではなく、それらの組み合わせを実際に見せる。これがすごく重要なことなのだと思うのですが、やっているお店はそんなに多くはありませんよね。「その組み合わせ、同じようにやってみようかな」とセット買いしてもらうチャンスにもなる筈です。

廃棄は会社にとって損失です。マイナス分は計算して他に乗せているから良い?それではあまりにも植物が可哀想。捨てる命をなくすこと、そのためにあれこれ工夫すること、それをいつまでも園芸店には追求して欲しいのです。