迎え盆。お店は開けないけれど、水遣り要員で出勤した静かな1日。超大型台風10号の影響なのか、ものすごく暑かった。寄せ植え教室の先生がガリガリ君を買ってきてくれて、お茶にしましょうと誘って下さいました。
「なんだか最近、暑さが少し変わって来たわよね。」
「そうなんですよ、もう朝晩は秋の虫が鳴いているんですよ。日中は暑いけど、暑さの質が変わってきた感じがします。そういえば先生、ビニルポットのお花たちを敷地内に植え込んで下さったんですね。マリーゴールドがずいぶん疲れてきているな、と思っていたんです。」
「もう暑いから売れないし、休みも続くから。疲れたポット苗は後ろの方の目立たない所に植えちゃった(笑) 」
「(笑) 。敷地内に植栽してあると、すごく参考になります。こういう石の隣にこの植物を植え込んで、この色の植物にはこの色を合わせる、とか。実際に目で見られるのは良いですね。」
「うちのお店はね、もうバラは余所にお任せしているの。だから沢山は置いていないでしょう?」
「手が掛かりますものね。ウチも消毒していないから葉っぱをバラバラ落としてましたけど、最近になって新しい芽が動き出しましたよ。」
「私も勉強のためにあちこちのオープンガーデンにお邪魔したりしたけれど、そういう方々は物凄くバラに情熱を注いでいるの。それこそ毎週消毒しているような。ドクターストップ出されているオーナーさんもいたりして (苦笑) 」
「 (苦笑) 。確かに、葉っぱ1枚虫に食べられない完璧な姿を維持したい方と、葉を落とすのも芽を出すのも自然に任せる方と、2パターンに分かれる気はします。」
「その葉っぱ1枚も完璧に維持したい方って、どうしてるの?」
「それこそ、毎週消毒しているんだと思いますよ。」
「もうね、日本は暑すぎるの。湿気もあるし、ヨーロッパとは違うから上手く育つものも育たない。それを維持するために物凄い情熱が必要なら、もうそれは他社にお任せしようと。これから気候もどんどん変わっていくし、それでも育っていける庭を私たちはお勧めすることにしたのよ。自然に咲いた花を楽しめるような。庭木や宿根草を中心にして、後はちょこちょこっと植え足したりできるようなね。」
あぁ、そうか。以前ブログに綴った自分の言葉を思い出しました。先生、私と同じ考えだったんだ。
手を加えなくても、自分の力で育つ植物を植えたい。どんなに暑くても寒くても、生き残っていける植物しか植えたくないという考えは今も変わりません。
ひたすら手を加えることに楽しみを感じるガーデナーと、植物が自然に生きる姿を楽しみたいガーデナー。どちら側でも間違いはありません。しかし目指す庭の完成形によっては作業量に膨大な差が出ます。それを楽しめるか面倒だと思うか。そこをはっきりとさせることで、庭作りの方向性も見えてくる気がします。
ほらね、ウチの庭なんて沢山植えてあるけれど、手が掛かるものはほとんどないのよ。だって基本的に山田ママはぐうたらだから、テキパキとは動けないの。すぐ休憩しちゃうし。
働いているお店の水遣りの回数は、未だに納得できないみたいだけど、まだまだ学べることはたくさんありそうだって言ってたわ。