山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

保護犬を迎え入れて1年

 

昨年の秋に、我が家に小さな家族が増えました。やせっぽちでおどおどしていて。全く誰の顔も見ようとしなかったし、ごはんも3日間食べなかった。

夜は寂しくて夜泣き。遠吠えで仲間を呼んでいる姿は胸が痛んだ。寝つくまでずっと体を撫でてあげていたら私が先に寝落ちしたり(笑)、そんなことがもう1年も前の事だなんて、本当に月日が経つのは早いものですね。

 


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今はひとりで眠れます。

 

 

ダンプカーに怯えて初めて「ワン!」と吠えた時。案外声が高いんだな、と知った。犬も怒ると首から背中にかけて毛を逆立てることも初めて知った。いつも下がりっぱなしだった尻尾を遠慮がちに振ってくれた時は、それはもう嬉しかった。外の世界を不安がっていたけれど、歩くスピードに合わせて一緒に散歩出来るようになったし、全速力で走れるようにもなった。この1年は発見と喜びの連続でした。

 

 

 

 

保護犬を迎え入れることに、不安は全くありませんでした。ペットショップで売られている命に違和感を感じて、いつの日からか犬を飼うなら保護犬を、と決めていました。子犬ではなく成犬を迎え入れたかったのは、子犬を希望する里親は多く、幾らでも未来があるから。大きくなった犬を引き取ることに大きな意味があると思ったのです。すぐには心を開いてくれなくても、愛情をかければいつか必ず尻尾を振ってくれる日が来るから大丈夫、何も心配はいらない。そして我が家にやって来たきなこは1カ月も経たないうちにその通りになりました。

 

 

きなこが保護犬ボランティアさんに保護された経緯については、さらっとしか書いたことがありませんでしたね。ブリーダーに飼われていた繁殖犬、販売する子犬を産むのがきなこの仕事でした。その高齢のブリーダーが脳溢血で倒れ、犬たちの世話ができなくなった。業者の犬は保健所では引き取ってもらえないのです。それなら自分たちの手で殺すしかない、と知人に穴を掘ってくれるよう依頼したことで、不審に思ったその知人がボランティアさんに連絡したそうです。実はこの手の話、よくあるようなのです。

その後、きなこを引き取ったボランティアさんがジモティーに掲載した情報を私が見て、ご縁に繋がった、というわけです。

 

 

ジャックラッセルテリアは初心者が飼うには難しいんでしょう?と聞かれたりしますが、そう感じたことは1度もないんです。きなこの性格が大人しいからか、もっとガツガツしてもいいのに、とすら思ったりします。そうできない過去があったんだろうな、とも。

ブリーダーの元で暮らしていたことが、きなこにとって不幸だったのかどうかも今ではよく解らないけれど、気持ちのよい青空の下を散歩したり、思いっきり走ったり、ボールを追いかけたりする姿を見ていると、これで良かったんだろうな、とぼんやりと思うのです。

 

 

犬を家族の一員として迎え入れることに決めたなら、どうか保護犬も選択肢のひとつに入れて下さい。捨てられて行き場のない命は、まだまだ日本中にたくさんいます。今日もどこかで、あなたの手を待ちわびている犬が。