山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

「オレを思い出してくれ」が強すぎる



父が突然、イチジクの木を伐採しました。
自分が食べたいから、と植えたのに、よく伸びる枝も、顔よりも大きな葉にも手を焼いたのでしょう。と言っても手入れをしている姿はほとんど見たことはなく、テッポウムシの駆除はもっぱら私たちの仕事でしたが。



きっと、ムクゲを刈り込んだことでやる気スイッチが入ったのだと思います。私がウメモドキを伐採したことも影響しているかも知れません。スコップを振り下ろす父の姿に、次は何が起こるのか、と主人は戦々恐々としたらしいです(笑)。



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イチジクの次は柿ですか…またずいぶん大きくなるものをお植えになったようで。


桃栗3年、柿8年とよく言いますが、主人から聞いた話では、「8年後、俺が死んだ頃に実がなって、それを見て自分を思い出して欲しい」と言って植えていたそうです。そういうの、気味が悪い。生前からそんなことを計画して自分の存在を後世に強いることが怖い。柿の苗木も気の毒です。だって正直なところ、すでに私は嫌な木だなぁと思っちゃってるもの。伐採したら呪われそうだし、この後どうしろと言うのでしょう。
恐ろしく、生に対する執着が強い、と主人。そうね、「俺はまだ死にたくない!」って言っていたもんなぁ。

自分の死後、残った家族の手を煩わすことのないように…と、庭木を処分する話はよく聞きますが、我が家のようなその逆パターンは聞いたことがない。「俺を思い出してくれ」って、頼んでもいないのに自分で自分の記念樹を植えるなんて、本当に怖いです。


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さて、先日のフリルビオラ "ミルフル"は、先シーズン同様にカルーナと寄せ植えしました。このカルーナは5年くらい使い回しているので、ずいぶんと大きくなり過ぎて寄せ植え向きではなくなっているのですが、処分するのも心が痛い。


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パンジーも同じく使い回しの脇役たちと。父のように要らないから処分する、ということができたら、楽に生きられるのでしょうね。