山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

庭作りは時間をかけて

 


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猛禽類が羽を広げているかのような、はたまた悪魔のような姿の、巨大アザミのカルドンです。

冬の間もマルチングいらず。外側の葉はだいぶ痛みましたが、それを取り去っても立派な株は健在。両手で掴みきれない太さです。

本当に種1粒だけが上手く育ってくれて良かった、と言ってはいけないことを思う山田ガーデンです。

今年は花が見られるかしら?ここまで育つまでに、丸2年かかっているのですけれど!庭作りは長い年月をかけて…とは言いますが、カルドンを眺める度に、庭作りとは本当に文字通りなのだなぁと思わされます。

成長にこれだけ時間のかかる植物が、ひとつ庭にあるのもまた面白いものです。

  


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落ち葉を拾い集めたら、新たな芽を発見しました。

原種チューリップ ステラータは、お正月明けに売れ残り球根を安値で購入し、寒空の下、慌てて植えたもの。どうやら春に間に合ったみたい。小さな芽、判りますか?

原種チューリップの球根は掘り起こす必要がなく、スイセンのように植えっぱなしで毎年咲かせてくれるそう。花があまり大きくないので、来年咲かせるだけの養分を充分蓄えられるのでしょう。

現代のチューリップは花を大きく、豪華に品種改良した結果、ほぼ1回限りの球根になってしまったのです。

連日、球根話ばかりでごめんなさい。秋に、今まで以上に頑張って植えたものですから…因みにまだ写真を載せていないものもあります。

 


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まだ花が咲くのは先ですが、球根ひとつでこんなにも春を感じることができる。ひょっとしたら、花が咲くことより芽吹きの方が嬉しいかも知れません。 

そして時間をかけて分球してゆくのを待つのも、またいいものです。

 

 

 

 

 

 

ダブルワーク最終日は春のはじまり

 


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球根の目覚めと同じく、木々も春をキャッチして動き出しました。

桜のように葉の展開前に花を咲かせる土佐水木は、あんなに固いピーナッツみたいだった蕾をあっという間に緩め始めています。


f:id:y-garden:20180303091031j:imageあっ、ヒコーキ雲!

 

 

本日はダブルワーク最終日。この記事を書き上げたら出掛けます。

ピリッとした真冬の早朝に、毎週末、県内各地へ田園風景を眺めながら車を走らせることがとても新鮮でした。普段は休日も庭にいることが多い山田ガーデンですが、この副業は冬のうつうつとした気分のちょっとした息抜きにもなり、なんだかんだと10年も続けています。

そしてちょうど、この仕事が終わる頃に春がやって来て、山田ガーデンはまた庭に戻るのです。

体力も落ちてきているし、月に4日しか休みがなくなるのは正直ツラい。いつまで続けられるのか分かりませんが、声を掛けていただけるうちは、会社勤めをしているうちは続けようと考えています。 

 


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あぁ、春だね。春が来たんだね。

ガーデナーの皆様、思いっきり庭作業を楽しんで! 

 

 

 

 

 

 

嵐のあとの庭

 

凄まじい暴風は夜から朝にかけて吹き荒れ、あまり眠れませんでした。あれが関東地方に吹いた春一番だったのを知ったのは、次の日のことでした。

春の嵐が好きです。雷が鳴ったり、暴風雨になったり、去る冬と春が交差する不安定な天気は、山田ガーデンをワクワクさせます。雷好きなこともあるしね。

庭作りを始めてからは、悪天候にヒヤヒヤすることも多くなりました。それは守りたい大切なものができたから。


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天気予報は毎日欠かさずチェック、もちろん気温もです。今朝もまだ氷点下なので、ポット苗の植え込みは念のため、もう少し待ちましょうか。

 


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試し蒔きしたニンジンもこんなに大きくなってきています。品のあるレース葉が素敵。早く庭に植えてあげたい。

 

 

冬の眠りから目覚めたガーデニング熱が、すでに沸騰しそうな勢いですが、季節はまだちょっと早い。でも春の嵐のあとには、嬉しいいつもの顔触れに出会えました。

 


f:id:y-garden:20180303085858j:imageスノーフレークの1番咲き。

 


f:id:y-garden:20180303085720j:imageニホンスイセン

実はこれね、昨年山田ガーデンに突然やってきたものなのです。息子が下校中に空き地に咲いているのを見つけ、私のために摘んで帰ろうとしたら、「球根ごと抜けちゃったから、そのまま持って来た!」って、小さな玉ねぎをブラブラさせて(汗)

心が痛みましたが、息子の気持ちもあるし怒るに怒れず…山田ガーデンで大切に育てることにしました。

 


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クリスマスローズも開花しました。まだ陽の当たる場所のものだけで、日陰はウズラの玉子のようにじっとしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発の春、いつもの春

 

植物と関わるお仕事をしていらっしゃるガーデナーさんが、新たなことに挑戦される。とても嬉しいニュースを知りました。春なんだなぁ。

山田ガーデンはまだまだ何ひとつ進むこともできずにいます。早くしないとおばあちゃんになっちゃう。

 

自分で選んできたけど  選ばされたと思いたい

一歩も動いちゃいないのに  ここがどこかさえ怪しい

 

そんな歌を思い出して、苦笑いしてしまいました。

 

ネモフィラの発芽は自由気ままなこと。ルドベキアは冬でも葉を残して、寒さに耐えること。

クレマチスの蔓はうどんより細く、葉の根元からくるりと巻きつくこと。

チューリップの球根は、ただ埋めれば花が咲くわけではないこと。この歳で、生まれて始めてホウレン草の花を見たこと。

ハッキリと目で判るほど大きな形になっていなくても、この2年間で学んだことはたくさんありました。このブログを通して、ちゃんと足跡は残っている。

 


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今年は本当に寒くて、クリスマスローズはまだ開きません。 春の嵐の後に期待しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

今年は2倍植え込む

 


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鉢植えのローズマリー トスカナブルーがポツリと咲きました。花はこの時期なんですよね。秋に刈り込んでしまうと、花が見られなくなってしまうのでご注意を。

と言いながら、カーポート脇の大株は季節問わず、伸びたら剪定しているのであまり咲きません(笑) 20年以上経ち木が古くなってきたからか、ちょっと元気がない感じがします。

 

 

最近はハーブの栽培はあまりしなくなりましたが、他にラベンダーとゼラニウムを育てています。花の美しさから、何に使う訳でもないけれど、昨年はボリジを咲かせてみました。ボリジの花をサラダにできると知ったので、ポット苗を探しに出掛けましたが、ホームセンターの園芸コーナーはまだまだ閑散としている状態。

 

その中で見つけたのは、これ。


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イタリアンパセリではありません。ラークスパー (千鳥草) です。同じものを4つも買うという、私には珍しい買い方をしました。

以前から山田ガーデンは地味な庭だと家族から言われていて、花苗を植えてもそれは変わらず。選ぶ色味がダークであることは否めませんが、もうひとつ気付いたことがあって。

 

"単に、植える量が足りないんじゃない?"

 

そうです。地味で寂しく感じるのは、花の量が少ないから!今までは1種につき2ポットくらいでいいかな、ひとつダメになってもひとつ残るから~と考えていたけれど、今年は倍でいきます!

 

 

 

 

 

 

春の知らせ~スノードロップ



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スノードロップが開いている姿を見られることは、私にはとっても貴重なことです。日暮れから早朝は小さな3枚の花弁を閉じてしまうから。

まるで小さなデスクスタンドのようです。ぽっ、と春の明かりが灯ります。

 

春の知らせ。

5cmにも満たない小さな姿が、こんなにも心を揺さぶる。

 

 



 

 

 

 

球根特集

 

今週は様々な事があり、あっという間に過ぎ去りました。年度末が近付き、職場も忙しくなってきて、私にも仕事が回って来るように(笑)

1週間振りにゆっくりと庭を見回ります。そうそう、細かい雪が降って昨朝は雪がうっすらと積もっていました。

 


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こんな庭を見るのもあとわずか。これから春が急加速するんですって!

チューリップの芽吹きも嬉しいけれど、地植えにしたアブラハム ダービーにも新芽が付き、ほっと一安心です。

 


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今朝1番の驚き。昨年花が咲かなかったチューリップ、フレーミング スプリンググリーンの芽が出てきていました。 

植えたままにしてあった球根から芽が出たんですね。咲けるかどうかは分からないけれど、1年間腐らずにいたことが、ただ嬉しい。

 


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ムスカリ アズレウム。バンザイしているみたいに見えて笑えます。

 


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大好きな白いスイセン タリア。

 


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土佐水木の根元のクロッカス ジャンヌダルクは、これまた真っ白な花を咲かせます。

通販の商品到着遅延のお詫びとして、オマケで戴いたものです。

 


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スノードロップが咲いています。庭作りを始めてすぐに植えた古株的存在。あちこちにひとつずつ球根をバラして植えたため、必ず咲くのはこの子だけになってしまいました。

追加で植えたものも、別の場所で芽を出していますよ。

どうしてもこの小さな花が見たかった、あの頃の気持ちを忘れないように。 

 

 

 

 

 

 

 

彼女に伝えて

 

ミラーレス一眼を買ったものの、ゆっくりとカメラを手に庭に出る時間もなく、ちょっと消化不良気味な山田ガーデンです。

出勤時間にバタバタと車に乗り込むと、庭の枕木の通路を軽やかな足取りで歩く野良猫が目に入りました。でっぷりと太った、白黒のぶち猫。我が家のゴミ袋をいつも漁りに来るヤツ。

歩く姿が楽しげに見えたので、ちょっと悔しくなりました。

 

同じような白黒の猫を飼っていたガーデナーさんを思い出しました。疎遠になってしまいましたが元気なら嬉しい。意気地無しなのでブログにお邪魔する勇気はありません。貴女の庭の写真が大好きでした。

 


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増えた球根を分けて、あちこちに植え込んだスノーフレーク。日陰のものも、芽を出し始めました。

今夜はパラリと雪が降る予報ですが、大丈夫。なんだかどーんと構えていられます。だって春はすぐそこだから。



 

 

 

 

 

趣味を超えた趣味は園芸

 


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細い細いバレリーナ。たいして陽が当たる場所でもないのに、 葉がちょこんと伸びてきて、実に頼もしいバラです。


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山田ガーデンは本当にこのつるバラが好きです。小さくて愛らしい一重咲きが集まって咲く姿は、知らない人が見たらバラだと思わないかも知れません。 

豪華な巻き巻きのバラも素敵ですが、こんな素朴なバラがあっても、箸休め効果でほっとできたりします。

 


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スタンダード仕立てのピエール ド ロンサールは、毎年剪定に悩まされています。どれだけ切っていいものか判らない。枝も年を取って固くなってきています。 

  


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昨年のまともな写真がこれしかなかった…

1期咲きだから1年に一度しか見られない花なのに、何を撮っていたんでしょう。我ながら信じられない。甘い香りが漂ってきそうですが、残念ながら香りは全くありません。

 

 

バラの芽が膨らんで来ると、嬉しくてワクワクする気持ちと、遂に動き出したな…とピリッと引き締まる気持ちが交差します。

昨年の過ちを繰り返さないように。昨年よりもっと良い庭にするために。

頭の中で色々な考えが走り出します。

それはもう、ゆったりと趣味を楽しむ域を間違いなく超えていて、自分でも可笑しくなるくらい真剣なのです。

今という時はもう戻っては来ない。だから今を蔑ろにしてしまったらもったいない。出来るだけのことをして、後悔だけはしないように…

 


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もうひとつのローズ、クリスマスローズの開花を、全国のガーデナー様のブログで目にする時期。

山田ガーデンはもう少しです。 

 

 

 

 

 

 

 

農業は閉鎖的な業界なのかも知れない

 

4月以降の仕事の契約更新について、先日担当者との話し合いがありました。

1番気掛かりな息子の登校渋りについて、職場の方々の理解があり、とても有り難く思っていること、でも申し訳ない気持ちでいること。

朝、子供たちより早く家を出るため、行ってらっしゃいと送り出すことができないこと。それが出来れば息子の気持ちにも変化が生まれるのではないかと考えていること。それだけは正直に伝えました。

本音は言えませんでした。未だに職場に馴染めず、行きたくないと思っているだなんて。

年を重ねると挑戦することが怖くなります。家族の生活を背負っている身では、当てのない転職活動なんて出来ません。

始業時間を遅らせることが可能かどうか、不可能であれば契約終了、ということで調整していただくことになりました。


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ハローワークの園芸に関する求人を調べてみると、時期的なものでしょうか、かなりの件数がありました。

菊の出荷作業やアジサイの接ぎ木作業など、どれも魅力的でやってみたい仕事ばかり。しかし、園芸農家は家族経営が多いので、どうしても時給は低く抑えられています。働きたくても生活が成り立たなくなるので手が出せません。

日本の園芸農家は減少する一方です。生活が成り立たないのであれば、畳むしかありません。そうして日本の花産業は衰退している真っ只中なのです。

やる気があっても儲からないから、手を出せない。食べていけないから辞めていく。当たり前の縮図です。

さらに山田ガーデンの住む、県の農業支援制度について調べてみました。何かしら道が開けているかも知れない…

 

■ステップ0: 農業を始める前に~  研修を受け、実際に収入を得られるようになるまでの約2年間分の生活費を準備しましょう。最低限必要な初期投資費用も必要になることは言うまでもありません。

生活費=ひとり当たり 年124万円(平成19年度統計調査)

 

お金がなければ農業はできませんよ、と上から目線で言われている気持ちになりました。生活費の統計調査が古すぎやしませんか。

 

■ステップ1:  技術の習得~  農業大学校や先進農家で1年以上の研修を受けましょう。無利子の融資制度があります(条件あり)。

 

■ステップ2:  農地の確保~  農地の確保には、自らの努力が必要です。新規参入の場合、経営計画等を市町農業委員会で審査してもらう必要があります。

地域にとけ込み、真剣に農業をしたい気持ちを理解してもらいましょう。見知らぬ人に土地を売ったり貸したりしてくれる人は、稀にしかいないのが現状です。

 

この後、ステップ3へと続くわけですが、もう読む気が失せました。

高齢化する農業従事者の次世代を確保するため、45歳までの若い人に農業参入給付金という支援制度がありますが、お金をばらまいているだけ、誰でも農業ができると勘違いしないで欲しい、など賛否両論あるようです。

確かに「農業で儲けよう!」と考えて、結局無理だった、という話は山のようにあります。

国を支え、元気にするための農業が、新規参入しにくい形ではいけません。1番難しい農地の確保が本人任せだなんて、聞いて呆れます。みんな仲良くなんて言われなくても当たり前、子供じゃあるまいし。

国や県は真剣に考えているのだろうか、逆に新規参入して欲しくないのかも知れないな。なんだかすごく閉鎖的な業界。そんな印象を受けました。

どうやら思った以上に険しい道のようです。