朝カーテンを開けると、ミニアイリスが1輪だけ咲いていました。つんつんと顔を出していたのは、どうやら芽ではなく蕾だったことを初めて知りました。クロッカスとは異なり、葉より先に蕾が出るとは。
そしてミニアイリスが咲いた日、折しもこの日は娘の受験の合格発表日でした。
自分の受験番号を見つけた娘は、「良かった…本当に良かった…」と泣いていました。学力試験もあまりできなかった、もっと勉強すればよかった、ママに申し訳ない。試験後、祖父母にそう話していたことを後から知り、そんな姿は全く見せなかったけれど、彼女なりにプレッシャーを抱えていたことを知りました。滑り止めの私立校が不合格だった時も、お金を無駄にしちゃってごめんなさい、と小さく言っていたことを思い出しました。
受験2日目の面接試験では、緊張のあまり最後にドアを閉め忘れて控え室に戻ってきてしまったことも、後から聞かされました。私には言えなかったのでしょう。ひとり絶望的な気持ちで合格発表日を迎えていたかと思うと、私は娘の支えにはなっていなかったのかも知れないな。
青色と黄色の組み合わせはとても好きな色味のひとつです。動物的にも感じる複雑な模様が美しく、思わず見入ってしまうほど。
このラベル通りに、もう少し中心のヒラヒラがライトブルーだったら良かったのですが。
アイリスは咲きたかったから咲いただけ。偶然その日が合格発表だっただけのことです。私は勝手に都合よく繋ぎ合わせてこじ付けて、植物を見ている感がよくあります。
でも、それでもいいよね。合格を知らせてくれたミニアイリス。思い出に残るミニアイリス。