山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

種蒔きのいろいろ~採り蒔き、こぼれ種万歳!

 

秋の種蒔きにはベストな時期になりました。春に咲かせる花は10月上旬くらいまでに種蒔きを済ませます。発芽してある程度の大きさまで育てば、その後やって来る寒い冬も懸命に耐えてくれます。

種を見つけたら蒔き時まで保管しなければならないと思っていませんか?種蒔きにも幾つかの方法があって、より楽に、自然の力に任せて発芽させる方法があるのですよ。ビニルポットを用意する手間もありません。それが山田ガーデンがよく行う、"採り蒔き" です。

 

 

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暑い夏を越え、ようやくこの大きさまで育った芽。何だと思いますか?とにほ (id:toniho) さん、先日挿し芽を成功させていましたね。種から発芽したジギタリスです。春に咲いた花を枯れて茶色になるまでそのままにしておき、できた種を地面に直接パラパラっと蒔きました。これが採り蒔き。時々ジョウロで水をかけてあげましょう。

 

地面に無造作に蒔かれた種は、発芽したい時に勝手に芽を出します。たとえ土が固かろうとも、生き延びるために懸命に根を張ります。ビニルポットにふわふわの培養土で育てたら、なんだか貧弱に育ってしまった、なんてことありませんか?それに比べてしっかりとした株に育つのは採り蒔きしたもの。時には雨に当たり、風に吹かれ、犬に踏まれ、ギラギラした太陽に照りつけられることで、生命力がさらに強まります。

適当なやり方に思えるかも知れませんが、要は自然に種が落ちて芽を出す "こぼれ種" と一緒です。種を人の手でこぼしてあげているようなもの。より自然な繁殖方法に近いのですね。

 

 

毎年採り蒔きを欠かさず行っているのは、西洋猫じゃらしのラグラス オバタスとトレニア

 

 

カレックスなどのオーナメンタルグラスはこぼれ種でもよく芽を出します。寒さで全滅したはずだったメリニスは、こぼれ種で自由に引越し。風の当たらない軒下に住まいを移していました。

ルドベキア タカオやシュウメイギク、ワレモコウもこぼれ種でよく増えますね。

 

 

週末楽しみにしていた長野県軽井沢でのボタニカルアートの個展には、結局行くことができませんでした。高校生になった娘の送迎が増え、ますます手がかかります。手が離れるのはまだまだ先なんだろうね。公共交通機関の乏しい地方では、送迎がなければ学校へも通えません。最寄り駅から学校までのバスすら、朝の決まった時間に1本しかないのです。

私もこぼれ種のように、風に乗ってどこかへ飛んで行きたいな。ふわふわと行きたい所はたくさん。今はいろんな制約があって何ひとつ実現できないけれど…目の前のことをひとつずつクリアして、笑顔で行ってきます、って。なんならそこに根を下ろしてもいいかも知れません。種のように自由に。