山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

趣味は時に残酷



秋晴れの休日に、庭の手入れをしようと前々から決めていた。落ち葉も散り始めているし、雑草も気になる。夏の間は全く手入れをしていなかったから。
通路の伸びたグランドカバーを短く切り戻し、クサソテツやミズヒキを抜きながら、落ち葉を拾い進んでゆくと、たわんだホースの側に何やら得体の知れないものがある。息を呑んだ。理解するまでに時間が掛かった。柚の木の巣で産まれたキジバトの子だった。

直ぐ側の枝に親鳥がいるのを見つけて、「一体何があったの !?」と思わず口から言葉が出た。親鳥は逃げずに、ただじっと我が子を見下ろしていた。
埋葬するのは親鳥が飛び去ってからにする。なんともやりきれない気持ちになり、庭作業をやめた。


庭に大きな木がなければ野鳥が巣を作ることもないから、こんな悲しい場面に遭遇することもない。小さな箱に自然を詰め込むガーデニングという趣味は、時に残酷な現実を突きつけてくる。知らなくてもよいことを見せられる。