山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

白菜苗を探す人々



愛犬きなこに毎朝起こされる。いや違う、愛犬きなこは毎朝、私を起こしてくれる。ある朝は早かった。5時ちょっと前で、まだ日が昇っていなかった。
朝ごはんを食べさせていると、東の空が明るくなってきたので散歩に出た。
バカみたいに暑かった夏とは打って変わって気温が下がり、季節が日に日に進んでいる。私は震えるくらい。きなこは過ごしやすいようで、最近元気によく走るようになった。



日中は外の空気を吸って、気持ちよさそうな顔。まだ蚊がいるので、庭には出さない。我が家に来て丸5年。もう保護犬の暗い影は感じない。


今年は秋が急にやって来た。空の雲は秋っぽくても、暑さが居座った。
先週、私が働くホームセンターの園芸売り場で、例年にない事態が起きた。白菜苗を求めて、お客様が次々にやって来たのだ。
どうやら、夏に蒔いた白菜の種が暑さでうまく育たず、農家さんも自分の家で食べる分を確保するのが精一杯らしい。毎年種を蒔いて育てている一般の方も、芽がダメになってしまって…とおっしゃる方が多かった。


9月になると、キャベツやレタスなどの葉物野菜や、カリフラワーにブロッコリーといった寒さに強い野菜の苗がたくさん入荷してくる。白菜は冬のお鍋には欠かせないものだから、例年よく売れるものではあるけれど、それがなんと完売してしまった。取引先にお願いして、かき集めて追加してもらうものの、ケース買いするお客様であっという間になくなる。変わり種のミニ白菜やちりめん白菜、紫白菜ですら、売り場に並べると即日完売。白菜苗はあるか?と1日に何度も電話がかかってくる。仕方なくキャベツ苗を買っていかれたお客様もいたことだろう。
遊びでかわいい鉢に野菜苗を植え付けて、見本鉢として飾っていたら、どこに行っても苗が売っていないものだから、それを買っていかれた方もいたほど(大抵のお客様は値段を聞いて諦める。植木鉢代が高いから)。
そうして白菜苗は完全に売り場からなくなった。急に寒さを感じた。秋が早足で進んでいる。




今週のお題「急に寒いやん」