秋の花代表格のホトトギスに、小さな蕾を見つけました。ホトトギスは子供の頃から庭に咲いていたので、今でも大好きな花です。
半日陰の山田ガーデンを気に入ってくれたようで、恐ろしく大株になりましたので、今年は少し引き抜きました。
その姿は和風ではありますが、品種がたくさんあるので、花色で選べば上手く洋風なガーデンにも溶け込むこと間違いなし。うーん、ちょっと独特過ぎるかしらね?
6月から咲き続けるルドベキア タカオにも、疲れが見えてきました。花持ちが良く、明るい黄色で庭を明るくしてくれる頼もしい存在です。
花がらを残しておきたい気持ちと、切り取ってスッキリさせたい気持ちが交差します。残しておけば種がこぼれて芽を出してくれるし、冬枯れの庭にこの黒いくるみ釦がツンツンしているのもかわいいもの。
今週から最低気温が20℃を下回る予報通り、半袖では肌寒い朝です。
夏から秋に季節が変わる頃になると、必ず思い出すお話があります。山田ガーデンが小学生の時に、国語の教科書に載っていた物語。
安房直子さんの「秋の風鈴」です。
────とある画家 (小説家だったかも) の青年のアパートに、ある日1枚の葉書が届きます。
「おたくの風鈴がうるさくて、夜眠れません」
緑色のインクで、ひょろひょろとした字でそれは書かれていて、差出人の名前はありません。
青年は不審に思いながらもそのまま気にも留めずにいると、再び同じ葉書が届きます。また届きます。しかし、その字はだんだんと小さく、元気がなくなっていっていることに青年は気付きます。
また読みたいのに、図書館に行っても置いていなくて、何十年も前の記憶しかないのですが、今の季節に読みたい内容なのです。
差出人は誰なのか。あっと驚くラストは、お庭好きな方なら絶対に気に入るはずです。
夏の花が「秋が来たね」って話し合っているみたい。