山田ガーデンは半日陰の庭です。東向きのため、午後は家の影で全く陽が当たらなくなります。
それを心地好いと思える時と、残念だと思う時があり、どうにもならないことなのに、今でもうじうじと考えてしまうことがあります。
縁の白がきれいなギボウシ パトリオットとゲウム リバレの間に、ポッカリと空いてしまったスペース…ここには1年半もの間、ガザニア(カシスクリーム風)が植えてありました。
柚の木の影が伸び、午前中でもあまり陽が当たらない場所でしたが、冬も越せたのに。この夏の多雨と日照不足でみるみる元気がなくなり、痩せ細り、先日ついに駄目になってしまいました。
もう1株は陽当たりの良い場所に移植していたので元気にしています。
この場所は、どうしても陽が当たらない。花は見込めない。
一体、何を植えたらいいの────。
そんな時には隣市の花木センターへ行き、年配の方の力を借ります。
おしゃれな園芸店とは違う、昔ながらの和風な品揃えから、何か面白いものが見つかるかも…
そして植え込んだのは、ミズヒキ。
細い細い花茎に、これまた小さな小さな赤い花を付ける日本の山野草です。
以前はちょっと茂みに入れば、よく見かけましたね。
大きなポップというか看板には、おばちゃんの手書きでこう書いてありました。
「格安で提供しています。大切に育てて下さい」
こういう気持ちが入っているものに、弱い。
お馴染みのルドベキア タカオにも、おまけでミズヒキが一緒に育っている鉢があったので、迎え入れることにしました。
赤いポチポチが、秋っぽさを格段に上げている。こういうのを"いい仕事"と言うのでしょう。
洋風の庭に溶け込むように和の植物を入れる、逆に和風の庭に洋の植物を入れる、そんな植栽が好きです。
もちろん、見たことのない外国の植物に憧れもあります。珍しい植物ばかりで庭を作りたいと思っていた時も正直ありました。 でも、もっと足元をよく見渡せば、日本固有の素晴らしい植物がたくさんあるじゃないか。
日本の植物を嫌っていたのは、洋風の庭に憧れ過ぎていたのと、和と洋を調和させられない自分の力のなさからだったのではないか。今ではそんな風に思っています。
現在は、ホトトギスをはじめ、ポンポン菊やオミナエシ、シマイトススキといった和の植物が山田ガーデンには増えつつあります。
でもね、おかしいでしょう? 植えたくなる和の植物は、なぜか秋のものばかりなのです。
和の植物の美しさが恋しくなるのは、やっぱり秋だからかな。イマイチ答えになっていないけれど。