山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

イチゴ農園就業から1年

 

台風でめちゃくちゃになった土地に週末、再び非情な雨が降りました。様々な被害状況が明らかになってきて、県内は本当に凄まじい悲しみに襲われています。水の力で押し流されたビニルハウス、浸水で学校が再開できない場所もあります。娘のクラスメイトは引越しを決めたそうです。町のあちらこちらに流木が散乱し、使えなくなってゴミと化した泥だらけの家財道具が積まれています。

山田ガーデンの働くイチゴ農園のビニルハウスの中では、たくさんのイチゴたちが元気に育っています。予備で取っておいた苗は、水害に遭った農家さんに寄付することに。ほぼ壊滅状態の県南地域の農家さんたちを明るく照らす、真っ赤な実を付けてくれるだろうと信じています。

 

 

農園ではイチゴの白い花が咲き始めていて、順調に行けば11月中旬から収穫が始まります。昨シーズンはひたすら毎日パック詰め作業をしていましたが、今年は収穫作業もお願いするかも、と奥さんから言われています。

早いものでイチゴ栽培の仕事を手伝い始めてもうすぐ1年。イチゴ農家さんの仕事を1年通して勉強させてもらいました。

傷みやすいイチゴは1粒ずつ手作業でパックに並べなければならないこと、イチゴを収穫しながら春先には次の苗を採るための親株を育て始めること。ランナーの赤ちゃん苗を何日も掛けて家族総出でハサミで切り取ること。それをひとつひとつ連結ポットに植え付けて大切に育て上げ、再び家族総出で畝に植え付けること…とにかく大変な手間の掛かる作業ばかりです。

その間にも細かな仕事はたくさんあって、ビニルハウス内のマルチやらホースやらを片付けたり敷き直したり、育てている何万という苗に1粒ずつ肥料を置いたり、葉かきしたり消毒したり。ここ数日は脇芽かきとランナー抜き取り作業をしました。これが収穫前の最後の作業になりそうです。

 

 

ガーデニングと農業は全く別物だとよく言われますが、実際に経験して解ったことは、とにかく数を作らなくては利益にならないから、可哀想だとかもったいない気持ちは切り捨てる、とてもシビアな仕事だということ。病気っぽいかな?そんな苗は即廃棄して、すぐに別の苗に植え替えます。そこに迷いはありません。他に広がってしまったら全滅の恐れがあるからです。それでも大切に育て上げる気持ちはどちらも一緒。だから農業はやっぱり楽しい仕事です。

私はもちろんイチゴ農家になる気はこれっぽっちもないけれど、農園での仕事は続けてゆくつもり。素人から見た農業という世界は…やっぱり敷居が高いかな。足を踏み入れたくても拒絶される感が強い。もっと新規参入し易いものになることを切に願っています。


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先日こんな本を読みました。派遣切りに遭い、同棲していた恋人にも振られ、住む場所も失った貧乏な30代女子が農業の世界にひとり飛び込み悪戦苦闘するストーリー。

やっぱり彼女も苦労したのは農地を借りること。「女が農業をやりたければ、農家に嫁ぐのが手っ取り早い」という台詞が、いろんな意味でとても印象的でした。

 


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ブログをやめようかと思うくらい、庭作業をしていない。何となくやりたいことを書き出してみたら、あっという間にメモ帳の1ページがいっぱいになりました。

庭作業ができなくなったら、このブログもおしまいにするつもりでいますが、それがどのくらいの期間手付かずにしたら終わりなのか、自分でもハッキリしないのですよ。やりたいことを箇条書きするくらいだから、まだ気持ちは庭に向かっていることは確か。書くことも好きだし、まだブログをやめる勇気は私にはないようです。