今朝の地元の新聞のネット記事で、昨夜火事があったのを知った。全焼。
よく知る町内の出来事だったので、どこなんだろうと思いながら、高台の家に車を走らせていたら、なんと我が家の建つ崖の真下の家だった。
焼けた匂いが庭に漂い、火事があるとこんなに燻したような臭いがすることを知った。
高い位置からごめんなさい、と思いながら、焼けて崩れ落ちてしまった建物に手を合わせた。
その時初めて気付いた。フェンス沿いに植えてある植物たちが踏みにじられているのを…
ジギタリス、シャクヤクは根元から踏み折られてしまっていて、ダメそうなものは引き抜いてしまった。
フェンスに這わせていたアメリカヅタも、なぜか引きちぎられて、ぶら下がっていた。熱風のせいではない。明らかな人的被害だ。
土の上には私以外の靴跡がたくさん残っていて、徐々に悲しみから怒りの感情に変わった。火事の見物をするために人の敷地に勝手に入り込み、大切にしている植物まで踏みにじった奴がいる。周辺の住人はどうかしているとしか思えない!
今後は他人が入ってこないように、立入禁止の看板をつける。なんなら自治会だって入るのを拒否してやる。
がっかりしながらなんとか庭に水を遣り、職場に向かおうとしたら、お隣さんが声を掛けてきてくださり、事の大きさを知った。
煙が下から全部上がってきてしまい、火の粉も飛んできて大変だったこと。こちらに燃え移らないように、我が家の敷地に消防車を入れ、消防隊員さんたちが庭で待機していたこと。私たちの家には放水されていないこと。
「かなり出入りしていたので、フェンスの近くに植えてある植物が踏まれちゃっているかも…」
そうだったんだ。敷地に立ち入ったのは見物人ではなく、消防隊員さんたちが我が家を守ってくれていたんだ…
教えてくれてありがとう。お隣さんにはお礼を言い、頭を下げた。怒りがすーっと消えていった。
もしここで生活をスタートさせていたら、炎と煙と飛んでくる火の粉に、きっと泣き叫んでいただろう。まだ住めていない状態で良かったのかも知れない。
でもそんな大変な事件を知らずに過ごしていたことにも怖さを感じた。
植物はなんとでもなる。取り敢えず無事で良かった。