山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

一軒家に庭はいらない時代

今週の関東地方では太陽に会えないみたい。先週末からぐずぐずと雨ばかりです。美しい町の紅葉が雨雲の下で終わりを迎えてしまうのは勿体無いね。


山田ガーデンのご近所さんは、昔からこの地域に住み続けている方と、家庭を持ち、新たに家を建てた方とが半々の割合です。元々田畑だったこの地域が住宅地に変わり始めて15年くらいでしょうか。我が家の目の前にはアパートが建ち、ブログ記事用に庭の写真を撮ると必ず建物や駐車場の車が写り込んでしまうようになりました。
一軒家にはあたりまえのように庭があり、庭木を植えるというスタイルが変わりつつあるんだな、と感じるのは、新しく建てた若い方の家には土が見えないことから判ります。きれいにコンクリートを流してあったり、タイルが隙間なく貼ってあったり、生きたものを置かないことで生活感を消した無機質なスタイルが好まれているようです。


山田ガーデンが子供の頃は共働き夫婦は少なく、家に帰れば母親がいる毎日でした。現在はお母さんも外で働く時代。忙しい毎日の中、庭のあれこれに時間を掛ける暇もないことはよく解りますし、それよりももっと大切にしたい事をそれぞれ持っていることでしょう。
そりゃあ大変ですもの、庭を相手にすると時間がいくらあっても足りない。雑草を抜き、花がらを切り落ち葉を集め、ひとつひとつの植物に声を掛けていたら、もう夕飯の買い物に行く時間もなくなります。
夫婦関係も悪くなります。庭で作業ばかりしていると、放っておかれたどちらかの機嫌が悪くなること必至です。
今は小さな土地が売れる時代だと住宅メーカーさんから聞いたこともあります。もう家に庭は必要とされない時代なのですね。山の中に家を建てたい、そんな妄想を喜ぶ私は古い部類の人間なのかも知れません。


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青々しかったハボタンの中心に色が出始めました。青々しいのも良かったけれど、ぐっと華やかになりました。


虫が苦手だから庭はいらない、そんな方もいらっしゃるでしょうね。植物に虫はつきものです。間違ってもバラなんて植えてはいけません。気持ちの悪い虫たちに1年中悩まされることになります。伸びた庭木の枝は定期的に剪定しなければならないので、そのつどゴミは出るし、水を遣らないわけにもいかないので長期の旅行にも行けません。

そして一番恐いのはその中毒性。例えばですが、何かの間違いで庭に植えてみたい植物と出逢ったとします。お世話を続けてゆくうちに、何故か「かわいい... 」という気持ちが生まれてしまう。これが恐いのです。もうひとつお世話できるかも、これを家の植物の脇に植えたらお洒落かも、そんな風に幾つも迎え入れることで、いつの間にか趣味がガーデニングになってしまう。
もうね、庭なんて無いに越したことはありません。無機質な庭、バンザイ。

さ、私は庭をちょっと見てこようっと♪