山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

昭和の板壁のペンキ塗り〜その1


そう言えば、先日パテ埋め作業を頑張っていた日のこと。近くから男性数名の話し声が聞こえてきました。どうやらお隣さんにどなたかが訪ねてきた様子。
玄関ドアを全開にして黙々と作業していた私の耳に入ってきたのは…

「こんな家、買う人がいるんですねぇ」

……それって、それって私のことだよね?
どこの誰だか知らないけれど、むっちゃ失礼なヤツ。聞こえるような声で言うか?そうだよ、私は変人だからな。古くても面白い魅力のある家だって見抜いたんだよ。見てろよ、びっくりするようないい家にしてやるから!と闘志を燃やした出来事でした。


海外ではリフォームすればしただけの付加価値が付く。でも日本はそうじゃない。新しい家がいい家で、そこらに残る古い家は大した家ではないという考えがある。そして自分で手を動かすこともないから、何でもプロに頼んで完璧にしようとする。
私の両親もそう、新しいものがいいもので、古いものは貧乏臭いと切り捨てる。
そういう目に見えないステータスの基準みたいな考え方が嫌で、もっと自分で自由にやりたいと思っていた。だからこの家を観た時、すごく嬉しかったの。玄関や2階の洋室は古いままだったけれど、手を加えた部分はなんとも味のある、いい雰囲気だったから。古い部分も昭和の家だからこそ、手を加える面白さがある。だからお隣さんがどう思おうが関係ないし、この昭和の築古の家を恥ずかしい家だとも思っていない。



パテ埋めが終わり、いよいよペンキ塗り。ペンキが付いたら困る所をテープとマスカーで養生しましょう。これもなかなか大変な作業です。これがきっちり出来ているかどうかで、仕上がりが変わってきちゃう。ペンキがはみ出たり、垂れたりは絶対避けたい。
最近、YouTubeDIYに関する動画がたくさん上がっていますが、私が観た塗装の動画では、マスキングテープを剥がしたらペンキがあちこち桟に付いちゃってた…しかもそれには触れず、「満足のいく仕上がりです」みたいなことを言っていて、マジか?と苦笑いしてしまいました。

コメントも戴いていた通り、皆が皆上手なわけではなく、新築のようにはいきません。遠目でキレイならそれで良し、という人も多い。逆にそのくらい大雑把でおおらかさがないと、趣味のDIYは行き詰まっちゃうのかも。
職人さんにはかないませんが、職人さんの出来に近付くために、素人はひとつひとつ丁寧に、きっちりと、妥協しない。これがすべてですね。



ベニヤ板に直接ペンキは塗りません。板からヤニやアクが出て、ペンキを塗っても黄ばみが出てしまいます。パテだって黄色くなったくらいです。ペンキの前に、まずはアクドメールという処理剤を塗ります。




1回目は水で薄めたシャバシャバなものを塗るそうです。なんだか青白くて気味が悪い色。無臭なので呼吸は楽です。プリントベニア板には全く染み込まず、サーッと流れ落ちてしまいます。たくさん量を作ってしまい、後悔。

今日は真冬の寒さに戻ってしまったので、気温が低く、乾くまでには時間がかかりそう。
乾いたら2回目。今度は原液を塗る予定です。