山田ガーデン

花や葉から、種まきから球根から。心地よい庭を作り上げる喜び。庭作りから学ぼう。

グランドカバーに最適?〜地を這う植物



ショベルカーが作業する音で、向かいのお宅でお庭の工事が始まっていることに気付きました。小さな芝生のお庭を掘り返している様子。思い返すと、芝刈りをしている姿を一度も見たことはなく、伸びきった芝が年々厚みを増していました。
芝を張ってしまえば、後の手入れが楽だと思う方が多いのはなぜなのでしょう?芝の間から雑草が生えてくるし、定期的に刈込みをしなければ伸び放題になってしまうし、以前庭ブロガーさんに教えていただいた、サッチング(枯れ葉をかき出す作業)をしないと蒸れて枯れてしまったりもするようです。芝も生きていますから手入れが必要で、植えたら終わりではありません。ゴルフ場の芝がきれいなのは、私たちが想像できない程の徹底した管理をしているから。そこのところを世の中にちゃんと発信できていないのでしょうね。
山田ガーデンは陽当たりが良くないし、狭い庭なので、芝を敷くという選択肢は最初からありませんでした。雑草が生えて欲しくない所はクルミの殻を敷きつめています。でも所々には、単調なスペースにならないように、這うように伸びる匍匐性植物を植えています。


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マルバマンネングサ(丸葉万年草)は、グリーンフィンガーズの近所のご夫婦から戴きました。こういう下草があるといいわよ、って。地面を覆うセダム多肉植物)との初めての出会いでした。
小さな茎の欠片が別の場所に着地しただけで、そこに根付くという素晴らしき生命力の持ち主です。水分を多く蓄えているので折れやすいため、足を踏み入れる場所には適しません。


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種から育てたクリーピングタイム。細い茎がふわふわと伸び、ボリュームが出ます。小さな葉もかわいらしい。ピンク色の花を付けますが、私はマメに刈り込むようにしています。


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か細くて可愛らしかったグレコマは今、その影も形もありません。小さな葉は大きくなり、細く柔らかなつるは太くなり、庭全体を覆い尽くす困った存在になりました。現在はほとんどを抜き取り、所々に少しだけ姿を残しています。


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固くチリチリした葉が印象的なルブス。伸びたつるはすぐに木化していくので、しっかりと広がっていきます。山田ガーデンでは踏みつけやすい場所に植えてあるので、あまり大きくなれず傷んでいます。申し訳ない。


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ルブスの傍では黒龍が花を咲かせています。紫掛かった小さな花です。そのままにしておくとまあるい実がなります。


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ヒメイワダレソウも頂戴したもの。芝に代わるグランドカバーとして、シート状になって販売していたりしますね。6〜7月に小さな丸い花を咲かせます。これもよく伸びて面積を広げていくので、芝の代わりに庭全体を覆うことも可能です。


どの匍匐性植物にも言えるのは、放っておくと困ってしまうくらい蔓延るということ。蔓延ればその下は虫の住処となり、風通しが悪くなることで病気や枯れ込みの原因にもなります。年に1〜2回でいいから伸びた分を切り戻してあげて、広げておいてもいい面積をキープしましょう。

土を植物で覆うと、コンクリートよりも外気温がぐっと下がるそうです。コンクリートで庭を固めてしまうのは簡単です。年々気温が上昇している日本の夏を快適に過ごすために、植物の力を借りてみませんか?芝だけでなく、匍匐性の植物はたくさんあります。でも年に数回だけでもお手入れは忘れずにね、というお話でした。